正常な発育に必要不可欠な葉酸

厚生労働省は妊娠初期の妊婦に向けて、葉酸の積極的な摂取を推奨しています。
これについては母子手帳にも記載がありますが、妊娠初期の赤ちゃんの成長過程でとても重要な意味を持つからです。
葉酸不足によるリスクなどを紹介します。

妊娠初期には赤ちゃんは胎芽という状態で、まだ人の形をしていません。
成長していく過程で胎芽から胎児になりますが、この時に脳や神経など、体を形成していきます。
この時葉酸は神経や脳を形成するのに必要となる成分です。

葉酸は体内では合成できないため、食事やサプリメントから補います。
妊娠に気づいた時には既に胎児に成長している事も少なくありません。
この時母体に十分な葉酸があれば、脳や神経の発育もスムーズになりますが、量が不足していると発育不全となり、結果的に赤ちゃんが障害や奇形になる可能性が高くなります。
こういった理由があるので、特に妊娠初期には葉酸が十分に足りている事が大切なのです。

葉酸は水溶性のビタミンですから、多少多めに摂取しても不要な分は体外に排出されます。
その代わり長く体の中に留まっていられないため、継続摂取が重要です。
妊娠に気づいてから慌てて葉酸を摂取しても、既に脳や神経が形成されていれば、発育に必要な栄養が不足しているので赤ちゃんへのリスクも高くなります。

ただしあくまでもリスクが高くなるという事であって、葉酸を摂取していないからといって必ずしも奇形や障害を持って生まれるとは限りません。
しかしリスクがあり確率を高める可能性がゼロではない以上、妊娠前から継続して葉酸を摂取するのが理想です。

葉酸は食事からも摂取できますが、サプリメントでも代用できます。
妊娠前からサプリメントを取り入れる場合は、妊娠したら続けられなくなるという不安もあります。
こういう場合は妊婦用の葉酸サプリを選んでおけば、妊娠後も続けられます。
ただし念のため、妊婦用のサプリでも医師に相談や確認をしておきましょう。